再生可能エネルギー導入促進を目指す「株式会社アジャイルエナジーX(エックス)」の設立について ~電力需要を柔軟に創出しデジタル価値や環境価値を付加しながら系統混雑緩和も実現~
2022年9月21日
東京電力パワーグリッド株式会社
株式会社アジャイルエナジーX
東京電力パワーグリッド株式会社は、株式会社アジャイルエナジーX(エックス)(以下、「アジャイルエナジーX」)を設立し、10月1日より営業開始しますので、お知らせいたします。
アジャイルエナジーXは、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)で発電された電力で先端技術「分散コンピューティング」システムを稼働させ、デジタル価値や環境価値を生成・提供することなどで、再エネのさらなる導入を促進していきます。
天候で発電量が変動する太陽光などの再エネ(変動性再エネ)は、電力需給バランスの維持のために出力制御や系統制約を受けやすい傾向があり、有効活用できない余剰電力が生じています。近年、このような再エネの出力制御量が全国的に増大傾向にあるほか、系統混雑が原因で再エネ連系が困難な状況でもあります。このため、国内には現在の発電電力量の最大2倍のポテンシャルが存在するとの試算※1もある中で、現状は、このエネルギー資源を十分に活用しきれていません。
アジャイルエナジーXでは、この状況を打開し再エネ導入量を拡大させるために、電力需給の変化に呼応し電力需要を柔軟に創出することで、再エネの出力制御や系統制約を緩和するソリューションを全国に提供してまいります。
電力需要創出の具体的方法は、AI/機械学習やゲノム解析、CGレンダリング、仮想通貨マイニング※2などに用いられている多数のコンピューターを、ネットワークを介して繋ぎ膨大な演算を同時並行的に実行可能とする「分散コンピューティング」です。再エネを利用した分散コンピューティングにより、デジタル価値のほかグリーン電力証書などの環境価値も創出できるため、自治体の脱炭素促進や再エネ事業者の収益増大、エネルギー地産地消促進や地域経済活性化に繋がると考えています。
また将来的にアジャイルエナジーXは、一般送配電事業者などに対し、分散コンピューティングを利用した系統混雑緩和に資するソリューション提供も目指してまいります。
東京電力パワーグリッドとアジャイルエナジーXは、本ソリューションを通じて、カーボンニュートラル実現を強力に推進してまいります。
※1 環境省「我が国の再生可能エネルギー導入ポテンシャル 概要資料導入編」
https://www.renewable-energy-potential.env.go.jp/RenewableEnergy/doc/gaiyou3.pdf
※2 ビットコイン等の仮想通貨の取引データを検証し、ブロックチェーン上に追記するための暗号計算を行う作業のこと。追記に成功した作業者には、報酬として仮想通貨が新規発行される。
以上